GOTOトラベルで分かった事

20年10月にGOTOトラベルの予算が一部の企業で枯渇した。
政府から配布された予算枠を使い切ったという事だ。 政府は緊急に予算枠を使いきった企業に追加予算を配布した。
マスコミは、コゾッてGOTOの問題として騒ぎ立てた。
割引が受けられない事で消費者に不利益が生じているという。 コメンテーターやニュースキャスターはGOTO事務局やシステムの在り方に疑問を投げかける。 私は思う。。。このキャンペーンの主旨を本当に理解しているのか? 事実誤認もいいところだ。


知らない人も多いと思うので、今回の旅行会社に向けたGOTOトラベルの基本要綱をおさらいをしておこう。

<<前年度の売上を基準に、各旅行会社が事務局にGOTOキャンペーンで割引するであろう予算額を申請する。 その際に、細かく各都道府県の行き先別に予算を申請する。それは人気観光地だけに予算が向かわない為の策でもある。 それらの申請をを事務局が許可した場合、旅行会社は35%の値引きをして販売する事が出来る。>>

想定される事は、
1、特定の人気地域の予算だけ先に無くなる。
2、販売が好調な企業は予算が無くなる。

今回は2が先に生じたようだ。(尚、追加予算分から都道府県別の予算割振りは廃止された)


「GOTOトラベル」は元々疲弊した観光業を助けるものだったはず。 それは、旅行会社・交通機関・宿泊業・土産物屋、実体経済を担う者たちが恩恵を受けられる為にある。

今回予算が枯渇した企業もあり、旅行業界が潤っているような風潮があるが実態は異なっている。

多くの旅行会社はまだ予算はかなり余っている。 それは旅行消費がキャンペーンの用意や予想に追い付いていない程、いまだに低調という事だ。 実際の観光業の現場経済は苦しい。
では何故一部の企業では短期間に予算を使い切ってしまったのか?


ここでGOTOトラベルの予算が枯渇した企業を見てみよう。
「YAHOOトラベル」「楽天トラベル」「じゃらん」「一休」等 いわゆるOTA(オンライントラベルエージェント)と呼ばれるWEB販売サイトである。

確かに旅行業登録をしているので、法律上は旅行会社だが、実際には自社でツアー(旅行商品)は作らない。 他社の営業が足で作った旅行商品をWEBに並べて販売している、集客+マーケティング販売専門の会社なのである。

YAHOOトラベルは「YAHOO」、楽天トラベルは「楽天」、じゃらんは「リクルート」、、、
皆さんはお気づきだろうか?

本業は純粋な旅行会社ではなく、全てがITを利用したマーケティングの会社(広告代理店)なのである。

GOTOの予算は、観光業に分配されずに巨大マーケティング企業(IT企業・広告代理店)に吸い上げられたのである。 ここ(IT中心のマーケティング会社)に、更に追加予算を積みまわす必要があるのだろうか?
勿論、OTAから予約をしても、宿泊業や地元の観光産業にも予算の一部は使われるので交通機関や宿泊業等は恩恵を受ける。 しかし生粋の旅行業者は全てスルーされるのである。


圧倒的な団体旅行のシェアを握るJTBは別として、大手と呼ばれる近畿日本ツーリスト・日本旅行・HISも今回は苦戦している。 OTAに顧客が流れていて、実際の旅行業者は一つとして未だに最初の予算を使い切る事が出来ていない。

GOTO予算は各企業毎に、前年比の売上に乗じて適正に配分された。
力の強い大企業が使い切れば、次の大手の会社が恩恵を受ける事が出来る。その大手の会社も予算を使い切れば やがて当社の様な中小零細の旅行社にも消費者は流れてくる。

消費者や宿泊業にとっても決して不便ではない。OTAで割引が出来なくなれば、旅行者は純粋な旅行会社で予約を始めるはずである。 同じホテル予約でも、OTAは既に予算が無くなり定価販売だとしても、消費者は旅行会社で予約を取ればきちんと35%OFFになるのだから・・・

何度も言うがGOTOは観光業救済のキャンペーであり、制度設計時は  消費者(旅行者)⇒旅行会社⇒交通機関⇒宿泊業⇒お土産屋と行き渡る策であったはず。
一部の者たち、それも観光業とは直接関係ない(マーケティング会社)に予算が流れていく実態の方が正しいと思っているのか? そこに予算を再注入させる矛盾に、「予算が枯渇した」と騒ぎ立てるマスコミは何故気が付かないのだろうか?

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一方で、これが実体経済という事でもある。この事実を我々業者も認めなければいけない。
時代は流れている。20年前の様な旅行会社は要らなくなった現実を改めて知る事になった。

旅行会社の営業が、足で歩き、情報を集め、より良いツアーを安く作り上げても、 結局マーケティング(広告代理店)の会社には敵わない。 どんなに良い商品を作っても、企業にマーケティングの手法が無ければ売れ無いのである。 悔しくてもマーケティングができる会社にマージンを払い、売ってもらうしかない。それが現在のOTAであるのだと思う

そのマーケティングという世界観は今やWEB上でしかない。 電車の中刷り広告もめっきり減った。新聞は薄くなった。 スマホの時代になり、情報や広告は全てがWEBにシフトしている。
WEBアドレスの最後に付く「ドットコム(.com)」はコンピューター(computer)の略ではない。 コマーシャル(commercial)の略なのである。 インターネットという媒体が、アメリカの防衛システムから民間で利用されるようになり、一番の有益な方法は、宣伝ツールを想定されて作られたからのようだ。
飲食でも、物販でも、旅行でも、どの業界においても全てWEB上を制しなければ、現在のマーケティングは難しいのである。


実は私は30年前に少しだけこのような風潮に気が付いていた。

起業する以前、旅行会社に勤めていた。インターネットは無い時代だった。航空券の予約など個人で航空会社から獲得するのは難しい時代だった。 飛行機のチケットも、JRのチケットも、旅行の申込みも一手に旅行会社が引き受けていた。
また航空会社にとっても自社のAIRチケットを電話予約だけで全て販売できる訳もなく、 旅行会社に一度に大量に買い取ってもらい、旅行会社は格安チケットとして販売していた。 そのチケットで安価な海外旅行を作って急成長したのがHISだ。 旅行会社にとっては良い時代だった。

しかし、時代は変わった。
インターネットが出来たおかげで、消費者は航空会社から直接チケットを購入できる。 航空会社は旅行代理店に任せると10%の発券手数料を支払う事になる。 しかし 自社のサイトを強化し直接販売すれば旅行会社に10%払う必要もない。旅行会社にチケットを大量に安く買い取ってもらう必要もない。

今は、旅行会社が買う飛行機の団体チケットより、各航空会社で買う個人の早割の方がはるかに安い。
航空チケット販売のマーケティングが、旅行会社から航空会社へとシフトする事で、 航空チケット発券という旅行会社の役割は明らかに終わった。
経営者は気づいていながらも、勇気を持って撤退できなかった旅行業者の一つとして、 消費者に迷惑をかけて倒産し社会問題化した「てるみくらぶ」がある。

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私は30歳の時に独学でhtmlを学んだ。htmlはインターネット上にWEBサイトを作るプログラム言語。
丁度、パソコン通信からインターネットに変革する時で、 インターネットのマーケティングが必要になると考えた事と、 脱サラで独立したばかりで、経営が芳しくないのに、やる事が無く、時間だけは捨てる程余っていたからである。
自分でWEBサイトを操る事が、これからのマーケティングには必要だと何となく感じていた。 当時、ホームページを業者に頼むと100万単位で掛かったので、暇を持て余す自分でやろうと考えた部分もある。

当社のWEBサイトは全て私の手作りだ。(一部のWEBシステム等は専門家とプログラム開発をしているが・・)
私が考える細かい戦略はここでは書けないが、一つ言える事は、企業やお店の発展とWEBサイトの閲覧数はある程度比例している。

<<繁盛しているお店や会社は、WEBサイトの閲覧数が多い。>>
逆に言えば
<<WEBサイトの閲覧数が多いお店や会社は、繁盛する確率が高い。>>


ユーチューバーが時々炎上させているが、ある意味マーケティングの理論上は正しい。
現在はWEBを攻略する事が、各業界のマーケットを制する事になる。
旅行会社で言えば、JTBや近ツーなど老舗大手旅行社より、 YAHOOトラベル・じゃらん・ゆこゆこ・TRIPADVISER・トリバゴなどOTAの方が消費者に対して強力で規模が大きいという事だ。

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最後に大事な事を書こう。

あと10年後には今と流れが変わっていると思っている。
OTAは確かに強い。しかし実体の商品を持たないOTAは「集客」以外の強みが無い。
想像してほしい。
もしJALやANAが航空チケットを楽天トラベルやトリバゴで販売しないと言ったら?
大手のAPAホテルや星のリゾートが、自社サイトのみで販売して、YAHOOトラベルやTRIPADVISERに商品を流さないと言ったら?

その流れがいずれ来る事を私はなんとなく感じている。

当社が扱うGOLFPAQという旅行商品はゴルフ専門旅行商品だ。
たかがゴルフ旅行の商品に過ぎないのだが、、、、
自社でゴルフ場へ営業してプレー枠を交渉し、
自社のバスで送迎し、
自社のスタッフのみでオペレーションを行い、
自社独自で集客を行い、
自社のサイトのみで販売している。

旅行商品ではあるが今主流の販売方式である「OTA」はあえて使っていない。
立案・企画・実施・集客・販売まで、全て当社単体で行い完結させている。

このプロジェクトは業務を特化せず、立案から販売まで当社内で多業種に及ぶため、企業拡大のスピードは決して速くならない。 急速に拡大させるためには、それぞれの会社内のコンテンツが同じスピードで進化する必要がある。 その為には、業務の一部をアウトソースするか、自社でやるならコストとマンパワーを必要とするだろう。
大きくなくてもいい。成長も急がない。その代わり今後も生き残る本当に強い企業とはどうあるべきか? 私が考えるその一つの方向性がこの商品に表れている。

まずい・・これ以上書くのは辞めよう・・・ビジネスモデルがばれる・・・


最後に私が作った当社WEBの一部を並べて今回のコラムは終わりにしようと思う。
良かったら見て下さい。

http://www.refranc.net/bote/
http://www.refranc.net
http://www.golfpaq.net
http://www.boxgolf.net
http://www.golfkobo.net



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2020年10月17日付

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