ゴルフの未来4

前号まで何回も書いているとおり、 日本でのゴルファの減少は、ビギナーがゴルフマーケットへ参加する、過去の成功モデルの崩壊が一番の原因です。
勿論、諸外国でも減少してるので、これだけが原因とはいいませんが。
しかし、施設が無い、先輩が誘わない、このような理由で身近にゴルフを体験できる機会が、激減したのは事実なんです。

ゴルフは楽しいスポーツです。それはゴルファーなら皆知っています。
途中で止めてしまった人も、経済的に余裕があれば、時間に余裕があれば、続けていた可能性は高いでしょう?
とにかく一度体験してもらう事。これが重要なんです。

体験させるという事は、「ベテラン」が「ビギナー」を誘うという事です。
若い人が少ないので、「安価や無料券を出して若い人を惹きつける」というのはあまりにも安易です。

銀座のクラブや赤坂の高級料亭は、通常一見さんお断りですが、百歩譲って、 値段安くして初来店キャンペーンすれば、グルメ雑誌見た若い人が沢山来店するんですかね?
麻雀出来ない人が、雀荘の値段下げたら、1人で雀荘行くと思います?


・・・・これらは、連れてってもらわないと行けないんです!!!・・・・


もし貴方が美味しいラーメン屋に出会ったら、お友達に勧めたいから、積極的に紹介するでしょう?
お友達も一緒に行った後、美味しければリピートすんじゃないですか?そして次の人に伝えてくれます。

だからゴルフもビギナー増やすキーワードは「連れてってあげる!」 
「連れてってもらう」んじゃないんです。間違ったら駄目です。ベテランが「連れてってあげる」事から始まります。
 
貴方がゴルフ始めたきっかけはどうですか?勇気を出して自分1人で行ったのですか?それとも誰かに連れてって貰ったのではないですか?
もう一つ聞きます。貴方が誰かに連れて行ってもらってゴルフデビューしたのなら、今度は貴方が何人デビューさせてあげましたか?


気がつきました?そう、そういう事です・・・
ゴルファーを生む流れを止めるから、ゴルファーは減るのです。

ゴルファーを増やすにはビギナー(これからプレーする人)に訴えるのではなく、 ビギナーを紹介してくれる(今プレーしているゴルファー達)に訴求するんです。
ジュニアゴルファーが欲しければ、今プレーしているお父さん世代に訴求するんです。
若い社会人のプレーヤーが欲しければ、今プレーしている上司に訴求するんです。

一つの例ですが、 「20歳のゴルファーは無料!」のキャンペーンをする位なら、 「20歳のゴルファー連れてくれば誰でも1名無料」にすればいいんです。
どうせ1人無料なら、ゴルフ場にとっての販促費用はどちらのキャンペーンも同じ事じゃないですか。

上記は20歳のプレーヤー1人しか対象じゃないけど、下記なら4人のパーティー全員が対象じゃないですか? 同じ費用で告知しても、キャンペーン対象者が4倍に拡がります。
ベテランゴルファーは「俺無料だから昼食ぐらいおごるぞ」「俺はいいからお前のプレー代無料にしてやるぞ」 ってビギナーに言えばいいじゃないですか。

では「20歳が4名で来たらどうする」って話?上記のプランなら20歳4人とも全員無料で出来るんですよって?
ゴルフ場にヒアリングしましたけど、そんな人達全然来て無いそうですよ。
だいたい20歳4名全員無料なんて、実際に聞いてみたら大変ですよ。笑い話ですよ。
20歳無料プランで来場するのは、ゴルフ体育会の学生か、超ビギナー。
体育会はジュニアからやってる人がほとんどです。もう何年もゴルフやってます。ビギナーじゃないんですよ。 だから、体育会はゴルファー増やすキャンペーンの対象者外なのに、無料でプレーしまくりです。
超ビギナーはもっと大変ですよ。4人とも20歳のビギナー。ルールは良く知らない。グリーンは走る。ディボットだらけ。真っすぐ飛ばない。ハーフ3時間以上。
だって全員ビギナーでまともに教えてくれる人いないんですから。
ゴルフ場にとって悪魔のようなお客達になってしまいます。むしろこのキャンペーンやらない方がいいんじゃない?

当社でも、バスでゴルフ場に連れて行く商品があります。
確かにビギナーを連れていく事は可能です。
私自身、偉そうに言ってる割には、残念ながらビギナーに積極的にアピールができません。
ビギナーを入れるのは難しいです。同伴のお客様に迷惑が掛かるからです。
お客様からお金を頂いて商品として運行している以上、 どのお客様にも、快適なゴルフ環境を提供する事は、我々の使命でもあるからです。

先輩ゴルファーがビギナーを連れて行くには、お互いに人間関係が成立しているコミュニティーに限られると思います。
なので、プライベートで何人もビギナーを連れていきました。


業界あげて、本気でゴルフ界の将来を危惧するなら
若い世代が欲しいなら
ゴルファーを増やしたいなら

「40代50代60代のゴルファーが、喜んで若い世代の後輩ゴルファーを連れて来るシステムを作ること!!」

現在60代70代80代のゴルファー達は、今現役のプレーヤー達にきちんと指南してきたから今日のゴルフ人口があるんですよ。

私なりに考えてみます。

例えば、チェックインの時に年齢が30歳以下でビギナー宣言すれば、
・ビギナーはクラブレンタル無料
・2名でも3名でもカートフィー追加なし
・グリーンフィーは連れてきた人無料
・練習場コインも付けます
・連れてきた人には食事もサービス
・フロントスタッフがビギナーにロッカーやレストランを案内。
・支配人が2人に挨拶
条件として
・但しプレーヤー全員が、男性 白ティー 女性 赤ティーのみしか利用できない。
・前の組と15分開けたら無料サービス無し。
・ベテランゴルファーがマナーやルールをきちんと教える。

これでも中途半端なアイデアでは不十分だと思います・・

私が思うに先輩ゴルファーがビギナーを連れてくる為の本質は 金額が安くなることだけではないんです。
ビギナーに「ゴルフが楽しい」、「続けたい」と思って貰う為に、 先輩ゴルファーとゴルフ場が一丸となって、ビギナーをエスコートするんです。
先輩ゴルファーが、ビギナーゴルファーから、「新しい世界観を教えてくれてありがとう」と感謝され最終的にレスペクトされるような仕組みを作るんです。 「ビギナーを連れてきて良かった」と思えば大成功!
そして、ビギナーゴルファーも「ゴルフ場は楽しいな。友達に教えてあげよう。いつか友達と一緒に来よう!」 って考えて発信してくれれば、ゴルフのネットワークが一挙に広がりますよね。

ベテランだってビギナーだって共通の趣味や友達(ゴルフ仲間を増やす)を持ちたいのが、人間の本質なんですから・・・

その他の対策は・・・まだ続きます・・・
2017年2月15日付


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